工学部研究紹介 研究詳細

汎用ポリマーから作り出す安価なイオン交換膜の作製と燃料電池用電解質膜への応用
直接メタノール形燃料電池の模式図と不均一架橋構造によるイオン輸送チャンネルを持つ燃料電池用電解質膜の模式図
大量生産により安価かつ大量に作られるポリマーは、様々な特性を追加して多様な用途に用いられています。ポリビニルアルコールにイオン交換基を結合、不均一架橋構造を形成させたイオン交換膜は、イオンを通すイオン輸送チャンネルを形成し、メタノールなどの有機溶媒を通さない膜となります。これはイオンを選択的に通し、燃料であるメタノールを通して無駄にしない、燃料電池用電解質膜として優れた特徴となります。
直接メタノール形燃料電池は理論的には燃料の化学エネルギーの98%を電気エネルギーに変換できるため、火力発電所などの熱機関(変換効率はおよそ50%)より同じ燃料で多くの電気エネルギーを得られる次世代のエネルギー源として、特にポータブル機器向けに開発が進められています。メタノールのロスを減らして高効率に電気エネルギーを得られ、そして安価な燃料電池を作り出すことを目指して研究を進めています。

遠藤 宣隆

Endo Nobutaka

研究関連キーワード
  • 燃料電池・電池材料
  • 機能性高分子
  • エネルギー生成・変換