工学部研究紹介 研究詳細

その場観察・計測によって解き明かされる無機・有機結晶の結晶化
水溶液から成長したノルセサイト結晶BaMg(CO3)2
得られた結晶を種として育成すれば、将来、大型機器にも十分に利用できる高品質/巨大な圧電素子の結晶ができる?
我々の身の回りにある材料の多くは結晶です。そのため、欠陥の少ない結晶や大きな結晶、目的に応じた形状の結晶を作製するなど結晶性材料の製造方法を制御することは産業的に極めて重要なことです。しかしながら、結晶の生成過程は結晶の表面状態、温度・濃度勾配、不純物濃度、pHなどの物理的・化学的因子に複雑に影響を受けるため、結晶の生成過程(核生成や結晶成長)の制御は容易ではありません。複雑に影響し合う現象を切り分けて結晶化を制御するためには、顕微鏡や散乱装置を用いて、その場観察・計測法(現象をリアルタイムに観察・計測する方法)による結晶化機構の解明が必要不可欠です。本研究室では、産業的に重要な無機結晶から有機結晶の生成機構の制御を視野に入れ、その場観察法による結晶化・融解(溶解)の基本原理の解明に取り組んでいます。具体的には、炭酸塩結晶、ゼオライト結晶、高分子結晶、コロイド結晶の研究を行っています。

麻川 明俊

Asakawa Harutoshi

研究関連キーワード
  • 結晶成長学
  • 結晶工学
  • 高分子物理学
  • 水熱合成