工学部研究紹介 研究詳細

階層構造と競合の物理 ーガラス、液晶乱流、ミツバチの巣作り、経済を探る
階層構造の一例:分子(左下)がタンパク質(左上)を構成し、タンパク質が細胞(中央)を構成し、そして細胞が生物(右)を構成している。
階層構造とは、対象および事象が層状に積み重なった構造の総称です。自然界では、例えば[分子ータンパク質ー細胞ー生物]など、時空間に関する階層構造が自発的に生じ、それに伴って様々な高次機能が発現します。これまでは1つの階層のみで記述される現象が多く研究されてきましたが、複雑な現象では階層を超えた相互作用(非線形相互作用)が本質的です。近年は、微細領域の実験技術やコンピュータ性能の飛躍的発展により、階層構造を理解する環境が整いつつあります。
私は、表題に挙げたような様々な研究テーマに取り組んでいます。テーマは多岐にわたるものの、どれも階層構造が本質的な系であり、それらを競合という統一的な視点で研究しています。階層を超えた競合が、どのように現れ、そしてどのように特性に影響するのか、統計物理学の立場から理論的に探究することで、複雑な現象に背景に潜む普遍性の解明を目指しています。

鳴海 孝之

Narumi Takayuki

研究関連キーワード
  • 非平衡・非線形物理学
  • 統計物理学
  • ソフトマターの物理一般
  • 生物物理一般