理工学研究科物質工学系専攻の茂野交市さんがGREEN 2015 国際会議で 1st Prize in Poster Presentation Award を受賞

理工学研究科物質工学系専攻の茂野交市さんがGREEN 2015 国際会議で 1st Prize in Poster Presentation Award を受賞

(平成28年5月12日掲載)

大学院理工学研究科物質工学系専攻の茂野交市さん(博士後期課程3年)が、2015年12月20~23日に行われたThe Asia Pacific Society for Materials Research (APSMR)主催の国際会議 GREEN 2015 (The 2015 Global Research Efforts on Energy and Nanomaterials) において、1st Prize in Poster Presentation Awardを受賞しました。この国際会議では材料科学の研究者が台湾で一堂に会し、その中で茂野さんは指導教員である藤森宏高准教授と共著で、アルミナ誘電セラミックスのCuO-TiO2-Nb2O5添加に伴う低温焼成に関して発表を行い、受賞対象として選出されました。

授賞式にて2nd Prize のRathinam Raja 博士と共に撮影

みなさんがよく利用している携帯電話には、セラミックス製の電子部品が入っています。セラミックスは焼き物であるため、一般的に1300 ℃以上の高温で焼成して作られます。しかし、そのような高温では電子部品の中にある銀などの融点の低い金属配線が融解してしまいます。そのため低温で焼成する技術は、以前から精力的に研究されてきましたが、電子機器の使用中における部品からの放熱性に課題が残されていました。放熱性が悪いと、電子機器の動作に悪影響を及ぼす可能性があります。そこで本研究では、セラミックスを金属が融解しない950℃以下という低温で焼成を可能にし、しかも十分な放熱性があることを確認しました。この研究成果は、今後の電子機器の分野に大きく貢献すると期待されます。

受賞に対して茂野さんは「この度はこのような賞をいただき、大変光栄に思います。今まで苦労してきた研究開発の人生が少しは報われたような気がいたします。これからも藤森先生をはじめとする様々な方々への感謝の気持ちを忘れず、研究を進めていきたいです。」と感想を述べています。