カリフォルニア大学 中村 修二教授による「第5回『知の広場』学術講演会」並びに「光・エネルギー研究センター特別セミナー」を開催しました

カリフォルニア大学 中村 修二教授による「第5回『知の広場』学術講演会」並びに「光・エネルギー研究センター特別セミナー」を開催しました

(平成28年5月25日掲載)

平成28年5月19日(木曜日)、山口大学常盤キャンパスにおいて、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村 修二教授を講師としてお招きし、学術講演会並びにセミナーを開催しました。

中村教授は、平成5年に世界で初めて、InGaNを発光層とするダブルヘテロ構造高効率青色LED を発明し、平成7年には世界で初めて、青紫色半導体レーザーのパルス発振に成功、製品化されたLED は各種ディスプレイや車載用照明、屋内外照明等に広く利用され、青紫色半導体レーザーは光ディスクの高密度光記録用光源として利用されています。これらの業績に対して、2014年のノーベル物理学賞、文化勲章、文化功労者、2015年の全米発明家殿堂入り等をはじめ、数多くの賞を受賞されており、2000年からはカリフォルニア大学サンタバーバラ校の材料物性工学部教授を務められています。

午前にはD22番教室にて、本学大学研究推進機構先進科学・イノベーション研究センターの拠点である光・エネルギー研究センター特別セミナー「The Solid State Lighting & Energy Electronics 研究におけるグローバル最前線」を開催し、学生や教職員、企業関係者等約130名が参加しました。

初めに本学の堀 憲次副学長(学術研究担当)より「本セミナーが参加している皆さんの研究に役立てられる事を期待している」と開会挨拶がありました。

続いて、中村教授による講演が行われ、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の紹介や、ディレクターを務める研究機関「SSLEEC(Solid State Lighting & Energy Electronics Center)」での取り組みや今後の展望についての紹介がありました。

その後行われた質疑応答では、アジアと欧米の学生の違いについて、「良い発見は、がむしゃらに実験する事から生まれる。実験に熱心なアジアの学生は良い発見をする事が多いが、それを論文にすることに苦労している。欧米の学生の様により多くの理論知識を蓄える事も重要である」と参加者へメッセージを送られていました。

午後にはD11番教室を主会場に、第5回「知の広場」学術講演会「世界で羽ばたけ、若き科学技術者たち」を開催し、学生や教職員、企業関係者など約500名が参加しました。

初めに本学の岡 正朗学長より、「今回の講演は、学生にチャレンジ精神を持ってもらう良いチャンスである。私自身も非常にワクワクしている。」と開会挨拶がありました。

続いて、中村教授による講演が行われ、自身の大学生活や青色LED開発の際の苦労話、ノーベル賞受賞時の裏話、自身の今後の展望等をユーモアを交えて語られ、「若い人にはぜひ海外へ行って欲しい。海外へ飛び出すことで、日本人が苦手とする英語を向上させる事ができるだけでなく、日本という国を外から見る事ができるようになる」と参加者へ熱いメッセージを送られました。

講演終了後の質疑応答では、研究職に対する日本とアメリカの支援体制の違いや中村教授の研究者としての姿勢等、参加者から多くの質問がありました。講演は常盤キャンパスの他、吉田キャンパスでも中継され、また、多くの報道機関が取材に訪れるなど、本講演への関心の高さが伺えました。

最後に岡学長から中村教授に感謝状が授与され、第5回知の広場学術講演会は大盛況のうちに終了しました。

岡 正朗学長(前列向かって左から2番目)らとの記念撮影