創成科学研究科の中島伸一郎助教、清水則一教授が平成27年度ダム工学会論文賞を受賞

創成科学研究科の中島伸一郎助教、清水則一教授が平成27年度ダム工学会論文賞を受賞

(平成28年6月14日掲載)

創成科学研究科工学系学域社会建設工学分野の中島伸一郎助教、清水則一教授が、平成27年度ダム工学会論文賞を共著者の山口嘉一博士、小堀俊秀博士(国立研究開発法人 土木研究所)とともに受賞し、平成28年5月31日(火曜日)に星陵会館(東京)で開催された、同学会の総会において表彰されました。本賞は、ダム工学にかかわる独創的な論文を発表し、ダム工学における学術、技術の発展に著しい貢献をなしたと認められた個人等に対して授与されるもので、受賞の対象となった論文は「GPSを用いたロックフィルダム堤体の地震時変位挙動計測(ダム工学, 25(1), pp.6-15, 2015.3.)」です。

左から、中島助教、小堀氏、清水教授

我が国では、地震時のダムの安全管理のために地震後速やかに点検するとともに、客観的な計測によって安全性を確認しなければなりません。しかしながら、地震時および地震直後にダムの変位挙動を計測することはいまだ技術的に困難な現状があります。本研究では、清水・中島研究室が産学連携によって開発したGPS変位計測システムを、土木研究所との共同研究によってフィルダムに実装して、東日本大地震時においてダムの三次元変位挙動をリアルタイムで計測することに成功し、その結果を分析することでダムの安全性を評価しました。地震発生時を含み連続してリアルタイムにダムの三次元変位を詳細に精度よく計測する技術はこれまで無く、本研究の成果は地震時のダムの安全性を迅速に判断する有効な手段となるものと期待されます。

なお、本研究は受賞者の一人である小堀氏が、本学博士後期課程在籍時に提出した博士論文の一部をなすものです。