やさしい科学技術セミナー「電池のはなし~電池の中の高分子~」を開催

やさしい科学技術セミナー「電池のはなし~電池の中の高分子~」を開催

(平成29年7月25日掲載)

7月15日(土曜日)に常盤キャンパスにおいて、第297回やさしい科学技術セミナー(主催:国際科学技術財団、共催:山口大学工学部)が開催され、講師として、山口大学大学院の卒業生でもある同大学院創成科学研究科所属の板岡加成恵 学術研究員が「電池のはなし~電池の中の高分子~」をテーマに、実験を交えて講義を行ないました。本セミナーには30名の高校生が受講し、基礎から最先端の電池の研究について学びました。

本セミナー主催の国際科学技術財団では、日本のノーベル賞にあたるジャパンプライズ(日本国際賞)の贈賞事業に加えて、2006年以降、独創的で発展性のある若手研究者に対して研究助成を行なっています。板岡研究員は低炭素化社会の実現を目指した国家プロジェクトALCA (Advanced Low Carbon Technology Research and Development Program) において、次世代の電池のひとつであるマグネシウム二次電池の研究に従事する傍ら、2017年度「クリーン&サステイナブルエネルギー」分野において、自身の研究として行なっている「自己組織化単分子(SAM)電解質を用いたマグネシウム-硫黄二次電池の長寿命化技術の開発」のテーマが採択されました。また、採択者は研究だけでなく研究ブログの掲載や、講演・セミナーの開催を通して、一般の方に科学技術を身近に感じてもらう啓発活動を行なう役割があり、本セミナーもその一環として高校生向けに行なわれました。

本セミナーでは、生活の中にある電池の構造などを説明するとともに、電池を構成する材料のひとつに使用されている高分子を紹介し、電池の材料に加えて他の用途にも応用できることについて講義を行なった後、参加した高校生の皆さんに、電池に使われる材料で芳香剤ゲルを作製してもらいました。さらに、電子顕微鏡を使った試料の観察や研究室見学も行ないました。参加した高校生の皆さんは、真剣な眼差しで講師の話を聞き、生き生きとした表情で実験に取り組んでいました。

講義の様子
実験の様子