清水則一教授がボスニア・ヘルツェゴビナ国地盤工学会から名誉会員の称号を授与されました

清水則一教授がボスニア・ヘルツェゴビナ国地盤工学会から名誉会員の称号を授与されました

(令和元年11月15日掲載)

10月23日(水曜日)から25日(金曜日)にサラエボ市(ボスニア・ヘルツェゴビナ国)で開催された「第4回アドリア海-バルカン地域における地すべりに関するシンポジウム、および、第9回地盤工学専門家会議」において、創成科学研究科工学系学域社会建設工学分野の清水教授が同国地盤工学会から名誉会員の称号を授与されました。

清水教授は国際岩の力学会副総裁として2016年に同学会で招待講演を行って以来、同国の岩の力学や地盤工学の活動を支援し、また、同国トゥズラ(Tuzla)市の地下岩塩採取による広域的な大規模地盤沈下の監視に関して、トゥズラ大学のサビッド・ゼカン教授らと共同研究を実施し、多数の国際共著論文を発表してきました。そのような貢献が高く評価され、このたびの名誉会員授与となりました。

授与式では、マト・ウルヤレビッチ会長(バンニャ・ルカ大学教授)から記念のプレートと名誉会員証書が贈られました。授与式後、清水教授の共同研究を中心とした「宇宙技術を用いた地すべりの安全監視とバルカン地域との共同研究」と題する記念講演を行いました。

シンポジウム後、サラエボ市から約100㎞離れたトゥズラ市を訪問しました。同市では、古くから地下の岩塩層から塩水を汲み出し、塩を生産し、化学工業材料として利用してきました。その一方で、塩水採取によって数メートルの地盤沈下が広域的に生じ、市中心街を含む多くの建物、家屋などが被害を受け、市の環境が大きく変化しました。清水教授は、同市から地盤沈下の安全監視の協力依頼を受け、人工衛星に搭載された合成開口レーダを利用して広域的に観測を続けています。

トゥズラ市への訪問は2回目で、再会したヤスミン・イマボビッチ市長から、引き続き地盤沈下の安全監視の協力要請を受けました。訪問中には、地盤沈下に関する現地調査、県および市の技術者、地元エンジニア並びに大学教授らと意見交換、トゥズラ大学において特別講義を行いました。また、この度の訪問について地元メディアにも大きく取り上げられました。

トゥズラ市周辺では地滑り災害も多発しており、シンポジウムに参加された丸井英夫新潟大学名誉教授をはじめとする地すべり研究グループとともに、周辺の地すべり地を視察しました。

本年12月には地盤沈下の共同研究を実施している同国の若い教員が、3か月の期間、清水研究室で研究する予定です。

国際共同研究体制の強化と国際貢献について、今後益々の進展が期待されます。

名誉会員記念プレートと名誉会員証書を受ける清水教授(左)右はマト・ウルヤレビッチ会長
トゥズラ市長(中央)と意見交換する清水教授(市長から左二人目)、丸井新潟大学名誉教授(清水教授の左隣)ら(写真:Copyright © 2019 Tuzlanski.ba)