清水則一教授が国際科学・技術・ヒューマニティ会議で基調講演及びリモートセンシング・海洋問題に関する国際シンポジウムで衛星リモートセンシングのトレーニングコースを実施しました

清水則一教授が国際科学・技術・ヒューマニティ会議で基調講演及びリモートセンシング・海洋問題に関する国際シンポジウムで衛星リモートセンシングのトレーニングコースを実施しました

(令和元年11月27日掲載)

11月14日(木曜日)及び15日(金曜日)、バリ(インドネシア)において国際科学・技術・ヒューマニティ会議ICoSTH BALI2019(ウダヤナ大学主催、山口大学後援))が開催されました。本会議はウダヤナ大学が昨年から開催している文理融合の国際会議で、900名の参加者があり、3題の基調講演、8題の招待講演、353題の研究発表がありました。

本会議で、創成科学研究科社会建設工学分野の清水教授が基調講演を行いました。講演では、防災・環境問題に対する先端宇宙技術の応用研究の社会的重要性が述べられ、宇宙技術、特に合成開口レーダー(SAR)を用いたインドネシアにおける防災・環境課題の具体事例(スマラン市、ジャカルタ市、デンパサール市の地盤沈下、アグン火山活動)への取り組みが紹介されました。講演終了後、質疑応答が30分以上途切れることなく続き、同国での関心の高さが示されました。特に、現時点ではまだ一般に知られていないバリ島デンパサールの地盤沈下の現状を衛星レーダーによって検出し、近年、当該地域で多発する洪水との関係が示唆されたことには大きな反響があり、具体的な対策の提言が求められました。

また、清水教授の研究グループの学術研究員であるプトゥ・エディ・ヤスティカ博士及び本学理工学研究科博士後期課程のイ・ニョマン・スディ・パルワタさんが一般研究発表に参加し、ウダヤナ大学、インドネシア地理情報庁、バンドン工科大学らとの国際共同研究の成果を発表しました。

同日程で、リモートセンシング・海洋問題に関する国際シンポジウムが開催され、シンポジウムに先立ち、「衛星リモートセンシングに関するトレーニングコース」が実施され、インドネシア国内の多くの大学、研究機関から約40名が参加しました。清水教授は合成開口レーダーのデータ解析と洪水地域の検出及び地震時の変位検出に関するトレーニングを担当しました。本学メディア基盤センターの江口助教も、SARデータに基づく地すべり発生個所の検出に関して講義しました。

清水教授は本学とウダヤナ大学との重点連携大学事業(2017-2019年)を推進しており、このたびの講演、発表、講習はその事業の一環として実施したと同時に、昨年、両大学で締結した研究交流協定の具体的な成果としても評価されました。

また、ウダヤナ大学リモートセンシング研究センター長の大澤先生には、重点連携事業と研究交流に関して日ごろから多大な協力とご支援をいただいています。ここに記して感謝いたします。

バリの民族衣装Kamenを身につけ基調講演する清水教授(ICOSTH 2019国際会議)
清水教授が担当したSAR(合成開口レーダー)の応用トレーニングコース(CORCT-IJJSS2019シンポジウム)