創成科学研究科の藤井文武准教授が(株)日本製鋼所・広島製作所と共同開発した技術で日本機械学会中国四国支部技術創造賞を受賞しました

創成科学研究科の藤井文武准教授が(株)日本製鋼所・広島製作所と共同開発した技術で日本機械学会中国四国支部技術創造賞を受賞しました

(令和4年5月16日掲載)

2022年3月4日(金曜日)に、創成科学研究科工学系学域機械工学分野の藤井文武准教授が、日本機械学会中国四国支部の技術創造賞を受賞しました。

この賞は、中国四国地区における機械工学及び機械工業技術の発展を図るために設けられているもので、機械工学及び機械工業における独創的な技術の開発あるいは研究に顕著な業績を挙げた者に贈られるものです。

受賞の対象となった技術は、藤井准教授が(株)日本製鋼所(JSW)広島製作所と共同で取り組んだ、同社のフィルム製造装置の制御方法に関するものです。同社のフィルム製造装置では、これまでPID制御によりフィルムの厚みを均一にするための制御が行われていましたが、高品質なフィルムの連続生産を行うためのPID制御器の調整は熟練技術者の経験と知見によるところが大きく、技能継承の難しさと省人化の要求から、自動で適切な調整を行う制御装置の開発が求められていました。藤井准教授は、制御器に強化学習の仕組みを取り込み、実際の装置運転時に時々刻々収集される情報を用いて制御目的をより良く達成するように制御器のパラメータを自動学習して調整するシステムの設計を行いました。

藤井准教授は、「JSWの皆様とともに努力した制御装置の開発が報われ、この度栄誉ある賞を頂いたことを大変光栄に思います。私の研究室でのシミュレーションベースでの検討結果を引継ぎ、JSWの皆様が実機試験・フィールドテストを重ねてくださったことで、現在ではこの技術を搭載する制御装置が実際にフィルム製造の現場で活用され始めているとお聞きしています。共同開発した技術が社会実装され活用されているという事実も、喜びを大きなものとしてくれています。今後もこのような貢献ができるよう、努力を続けていきたいと思います」とコメントしています。

藤井准教授、日本製鋼所 前西さん