「第5回時間防災学セミナー」が開催されました

「第5回時間防災学セミナー」が開催されました

(令和4年6月8日掲載)

2022年6月1日(水曜日)、WEBにて「第5回時間防災学セミナー」(地域防災・減災センター、グローカル環境・防災学研究会共催)が開催され、大学、民間企業、その他一般から324名が参加しました。

セミナーでは九州大学大学院工学研究院環境社会部門助教の西山浩司氏から、享保5年(1720年)に福岡県うきは市耳納山麓の村々を襲った豪雨と土石流災害について、古記録や石碑等から読み解いた発生の経緯、被害地域、被害状況等が紹介されました。このときの被害地域は、近年九州北部で発生している線状降水帯の分布と同じような地域であり、同じ場所で繰り返し災害が起こる可能性があることが示されました。また、古記録には凄惨な人的被害が場所とともに記録されており、被害地域を現在のハザードマップと重ねることで、これから起こるかもしれない災害を具体的にイメージしやすくなり、備えを考える際に役立つことも紹介されました。

自然災害の記録や教訓は石碑などに残されていることが多く、ひかり拓本という技術により従来よりも手間と時間が大幅に削減されたことも紹介されました。地域に残る記録にあらためて目を向け災害リスクを読み取り、再び同じような災害が起こることを予想して地域の防災について考えておくことの重要性についてもお話いただき、非常に有意義な会となりました。

今回ご紹介いただいた内容は、以下のホームページ「災害伝承から防災へ 享保5年7月九州北部豪雨」に詳しく記載されています。ぜひご覧ください。
https://www7.civil.kyushu-u.ac.jp/suiken/mino_disaster/index.html

地域防災・減災センターHP:https://ds0n.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~cldpm/index.html

【講演内容】
講師:九州大学大学院工学研究院環境社会部門助教 西山 浩司 氏
講演題目:「災害伝承から防災へ-地域に残る災害伝承を現代に蘇らせ,繰り返し起こる土石流災害に備える-」