工学部研究紹介 研究詳細

体内で起こっている力学現象をコンピュータで解明する~脊髄圧迫シミュレーション~
脊髄円錐部の圧迫骨折シミュレーション[左上]脊椎・脊髄の構造 [右上]解析モデル[下]解析結果(赤い部分が損傷の度合いが大きい)
わたくしたちの体内にある脊髄は、脳からの信号を体の各部位へ伝えたり、体の各部位から感知した外界の情報を脳に伝える重要な器官です。脊髄は背骨(脊椎)の中に納まっていて保護されています。しかし、加齢によって脊髄の前後に存在するじん帯が骨化し脊髄を徐々に圧迫する病気(後縦じん帯骨化症や黄色じん帯骨化症)や、椎間板が変形し脊髄を圧迫する病気(椎間板ヘルニア)などにより、手足のしびれや、運動機能障害等の神経障害が発生する場合があります。その他、交通事故やスポーツなと、外部からの衝撃によって、脊髄が急激に圧迫される場合もあります。このような慢性・急性の脊髄圧迫の様子をコンピュータで再現し、脊髄に発生する力の分布から人体に生じる障害を予測できるかどうかを調査しています。この研究は脊髄圧迫に関する病気の解明だけでなく、例えば、衝突時でも人体に影響の少ない、車のシートの開発にも応用が期待されています。

大木 順司

Ohgi Junji

研究関連キーワード
  • バイオ材料力学
  • 生体シミュレーション
  • 生体適合材料
  • 破壊