工学部研究紹介 研究詳細

錯視の理解と映像技術への応用
写真は当研究室で発見した錯視です。正面左側の白線と右側の点線がなす角度は何度に見えますか?分度器で測ってみて、見えの角度と比較してみてください。
視覚を中心とした脳の理解とその映像技術への応用を研究しています。特に、見ている対象の物理特性が私たち自身の視覚体験とズレている「視覚的錯覚(錯視)」に注目しています。例えば、雄大な山の風景を残そうと写真を撮ったとき、実物を見ていた時の雄大さが写真では見られなかったという経験は無いでしょうか。これは、遠くの物を大きく知覚する脳の処理による視覚体験と、客観的な大きさを記録した写真との違いが大きな要因です。また、動いている対象を見ている方が、止まった対象を見ているよりも鮮鋭に見えることがあります。ビデオを一時停止して画像がぼやける原因の一つです。これも、移動中の対象をより強調して知覚する脳の処理によるものです。これらの錯視が脳のどのような処理によってなされるのかを理解し映像技術に応用すれば、旅先での思い出を写真で再現できたり、内視鏡の画像処理に用いて医師の支援に使えるようになります。

長 篤志

Osa Atsushi

研究関連キーワード
  • 感覚・知覚・感性
  • 画像情報処理
  • 感性情報処理
  • 脳情報処理