工学部研究紹介 研究詳細

脳の情報処理解明から知的情報処理システムの構築へ~社会課題の解決に向けて~
2種類の神経細胞(赤と青)をドーナッツ状に配置して 作成した人工的な回路例。丸と線はそれぞれ神経細胞と 神経細胞同士の一部の繋がりを表しています。
脳に存在する神経細胞は、互いに繋がり回路を作っています。1つ1つの細胞が発する電気信号は、その回路を通じて他の細胞に送られています。私たちは日々の経験を記憶できますが、これは経験が脳の回路に書き込まれ、神経細胞の信号のやり取りが変化した結果だと考えられています。そのため、神経細胞の信号のやり取りの変化の仕組みを明らかにすることが、脳の情報処理の解明につながります。そこで、人工的に回路を作り、その信号のやり取りを調べるコンピュータシミュレーションを用いた研究を行っています。また、研究で得られた知見の応用として、脳の情報処理をヒントに作られたニューラルネットワーク技術の改良や人工衛星画像からの災害検出などリモートセンシング分野における技術開発にも取り組んでいます。最終的には、脳と同じ情報処理(脳型情報処理)を行えるコンピュータを実現し、様々な分野での社会課題の解決に貢献したいと考えています。

佐村 俊和

Samura Toshikazu

研究関連キーワード
  • 計算論的神経科学
  • 脳型情報処理
  • ニューラルネットワーク
  • リモートセンシング