工学部研究紹介 研究詳細

高度な蒸留ガス吸収乾燥装置の設計を目指して
~合理化と省エネルギー~
蒸留実験装置-充填塔-
化学工業において重要な役割を果たしているガス吸収装置、蒸留塔、乾燥装置などの分離装置を合理的に設計するには、相平衡物性(気液平衡、液液平衡など)データや輸送物性(拡散係数など)データが基礎データとして必要不可欠となります。例えば、バイオエタノールの蒸留装置を効率的に設計するには、不純物とエタノールからなる多成分混合物の高精度な気液平衡データ(温度-圧力-液相組成-気相組成の関係を表すデータ)を欠くことができません。混合物を構成する成分の組み合わせは膨大な数におよび、実験によりデータを収集するには、多大な時間と費用を要します。この気液平衡関係が理論的に高精度で求められれば蒸留分離装置などの開発期間の短縮、設備設計の合理化、省エネルギーな運転操作が可能になります。気液平衡、液液平衡、拡散係数などの物性値を測定するとともに、これらを高精度で表現できる新しい理論モデルの研究開発に取り組んでいます。

小渕 茂寿

Kobuchi Shigetoshi

研究関連キーワード
  • 平衡・輸送物性
  • 蒸留
  • 吸収
  • 乾燥