工学部研究紹介 研究詳細

どろどろ、さらさらを科学する~複雑流体の制御による商品開発から省エネまで~
ある種の界面活性剤は流れの抵抗を低減させる効果があり、そのメカニズムを解明するため、レーザー光とハイスピードカメラを使った計測を行っています。
流れるものを『流体』と呼びます。水はもちろんのこと、ジュースやヨーグルト、ケチャップもゆっくりですが流れます。さらに、ハンドクリームや塗料、接着剤やセメントまでも流体に分類されます。このような流体はさらさら流れる水と異なり、べちゃべちゃ、ねとねと、ぽたりっと複雑な流れをします。これをうまく制御することで、塗りやすい塗料、飲みやすい医薬品、書きやすいインクなどを作ることができます。これが私の研究分野である『レオロジー工学』です。現在、行っている主な研究は、磁石を近づけると流れなくなる流体、油類にとろみをつけたり、ゲルにしてしまう添加剤、また、廃食油をディーゼルエンジンの燃料に利用する研究や新しい混合装置の開発も行っています。さらに洗髪に使うリンスに類似した薬品(界面活性剤)を使用して、大量の水を省エネルギーで輸送する技術を開発し、国内約200か所の施設で実用化しています。これらはすべて企業との共同研究です。

佐伯 隆

Saeki Takashi

研究関連キーワード
  • 流動・伝熱・物質移動操作
  • 非ニュートン流
  • プロセスシステム設計
  • ソフトマターの物理一般