工学部研究紹介 研究詳細

持続可能な社会に貢献するガス分離膜の開発
開発中の水素分離膜
ガスを選り分ける「分離膜」を開発しています。二酸化炭素や窒素、水素、酸素といったガスは分子でできています。分離膜は分子のサイズや化学的性質の差を利用して分子を分けるフィルターです。サイズの差で分けるというのは、粉を「ふるい」にかけるのと同じ考え方ですが、分ける対象が極端に小さく、分子サイズと同じくらい小さい「すきま」をコントロールできる材料の開発がポイントです。化学的性質に差がある場合、どちらかのガス分子と相性の良い成分をフィルターに混ぜます。そうすると、相性の良い方の分子が優先的に通過します。サイズの大きな分子が速く通過し、小さな分子はほとんど通過しないような、ちょっと不思議なフィルターも作ることができます。
大気中の二酸化炭素濃度の増加を抑制したり、水を原料に太陽光から水素ガスを発生させる「人工光合成」で利用するものなど、いろいろな応用を目指して研究を進めています。

田中 一宏

Tanaka Kazuhiro

研究関連キーワード
  • 膜分離工学
  • 化学工学
  • 高分子材料物性