工学部研究紹介 研究詳細

油水界面を利用したマイクロカプセルの開発とバイオテクノロジーへの応用
エマルションを用いて調製した無機マイクロカプセルの断面写真
油と水の接する面(油水界面)は、水でも油でもない特殊な環境です。水にも油にも馴染みやすい分子(界面活性剤)を利用することで、この界面を制御することができます。私の研究室では、油水界面を利用し調製したマイクロ・ナノカプセルのバイオプロセスや医療技術への応用を目指しています。
例えば、界面活性剤を用いることで、水中に油滴が分散、あるいは油中に水滴が分散したエマルションを形成できます。この液滴表面で合成反応を行うことで、高分子や無機のカプセルを調製できます。カプセル内に入れた微生物は、外部から保護され長期間利用できます。この微生物反応器を用いて、環境浄化や生理活性物質の生産を検討しています。
また、生体に適したカプセルを調製し薬物を封入することで、薬の活性を維持したまま患部に届ける薬物送達技術を検討しています。これは、副作用が強い、分解しやすいなど使用が困難な薬の可能性を広げる技術です。

通阪 栄一

Toorisaka Eiichi

研究関連キーワード
  • 薄膜・微粒子形成操作
  • バイオリアクター
  • バイオ生産プロセス
  • 医用化学工学