工学部研究紹介 研究詳細

「拡がり」を表現する、等角写像の力学系の研究
極値関数f(t,z)=(1+t)z-2Log(1-z)の拡がる様子。
時間が経つに従ってf(z)=zの情報が強くなる。
かいつまんで言うと、平面上のある図形が時間が経つにつれて拡大変形していく様子を数式(微分方程式)で表現し、その性質を研究しています。身近な例で言うと、手ぬぐいに絵の具を垂らして染みが大きくなる様子や、アメーバが増殖して増えていくといったものでしょうか。こういった「拡がる」という現象を抽象化して、数学的現象として特徴付けるわけです。
いったん数学的に特徴づけることができれば、この世のあらゆる「拡がり」に対して理論を応用し得ます。例えば図形の拡がりのみならず、噂の拡がりやSNSの友人ネットワークの拡がりといった社会科学の理解にもこの理論は関係しているのです。現代では確率論と結びつけることで平面ブラウン運動の研究などにも用いられています。貴方の周りを少し見回してみて下さい。意外な場所に「拡がり」を見つけることができるのではないでしょうか。

堀田 一敬

Hotta Ikkei

研究関連キーワード
  • 複素解析
  • 関数方程式
  • 確率論