工学部研究紹介 研究詳細

室内における空気質に関する研究
マイクロチャンバーを用いたPVC建材からの準揮発性有機化合物(SVOC)放散速度測定
現代人は一日85~95%の時間を室内で生活するため、室内の空気汚染は居住者の健康に大きく影響を与えている。室内の空気を汚染させる化学物質は沸点によってVVOCs、VOCs、SVOCs、POMに区分されている。特に、SVOC物質は沸点が高く、揮発性が低いため、気中よりハウスダストなどの表面に付着することが多い。室内のSVOC汚染物質としては可塑剤、難燃剤や殺虫剤などが挙げられており、DBP、DEHPなどのフタル酸エステル類は玩具、医療機器、PVC系の床材や壁紙、車の内装材などや一般的な生活用品にも幅広く使われている。室内に汚染されているフタル酸エステルは経口、呼吸、皮膚吸収によって曝露される。特に、子供はハウスダストを摂取することによってフタル酸エステルを摂取すると報告されている。子供のハウスダストの摂取量は成人より10倍以上多く、ハウスダスト中フタル酸エステルの濃度と子供の喘息やアレルギーには関係性が高いと報告されている。そのため、室内におけるSVOC汚染濃度の測定及びSVOC汚染源を探索することで、室内のSVOC汚染濃度を削減することを目指す。

金 炫兌

Kim Hyuntae

研究関連キーワード
  • 空気環境
  • 光環境
  • 環境計画
  • 建築設備