工学部研究紹介 研究詳細

曲面の変形理論の研究
形が同じでも模様が異なるトーラスの例(『タイヒミュラー空間論』(今吉洋一・谷口雅彦共著、日本評論社)より抜粋)
みなさんは図形の変形といえば何を思い浮かべますか?例えば、円と三角形は普通に見れば異なる図形ですが、三角形の辺を膨らませれば円に変形することができます。私は図形がリーマン面というある種の曲面の場合の変形理論、特にその複素解析的な手法による研究に興味があります。ここでの変形とは、曲面の「形」だけでなくその上に載っている「模様」も考慮に入っており、具体的には擬等角変形とよばれます。擬等角変形は、曲面の各点における模様の歪み具合がわかればその変形を復元できる、すなわち局所的なデータから大域的なデータを取り出せるという利点があります。その長所は例えばコンピュータグラフィックスで利用され、そこから工学や医学などの様々な分野への応用につながります。
私自身は現在このような応用を研究目的にはしておりませんが、いずれ社会への現実的な応用にも目を向けていきたいと思っております。

柳下 剛広

Yanagishita Masahiro

研究関連キーワード
  • 複素解析
  • 複素幾何