工学部研究紹介 研究詳細

失われゆく干潟環境の保全のために~干潟変形応答メカニズムの解明~
山口湾椹野川河口の南潟における地形観測。無人航空機による航空測量により、毎月の干潟地形の変化を捉える。
干潟は、水質浄化や生物多様性の維持など多様な機能を有し、健全な沿岸環境を維持する上で重要な役割を果たしています。しかしながら、我が国の干潟は都市の発展とともに埋め立てられ、僅かに残ったものについても、泥質化や生物相の変化など本来の姿を失いつつあります。さらに、今後は気候変動にともなう極端気象の増大や海面水位の上昇を受け、大規模なかく乱・土砂供給イベントの増加や侵食堆積バランスの崩壊により干潟地形の消失が懸念されています。そこで、底質土砂内部の水理・地質動態の把握といった微視的観点と、航空測量や観測衛星による地形・流況把握といった巨視的観点の両面から干潟の物理環境を定量化、干潟の変形応答メカニズムを解明し、今後の干潟環境保全に資する物理プロセスベースの地形変化予測モデルを開発します。

白水 元

Shirouzu Hajime

研究関連キーワード
  • 海岸工学
  • 土壌・地下水・水環境
  • 海洋地質
  • 水災害