工学部研究紹介 研究詳細

セメントや石灰による改良地盤の耐久性 ~長期的な性質変化と改良技術の高度化~
軟弱化が確認された堤防基礎部の石灰改良土層
我が国は、軟弱地盤が広範囲に分布しています。国土面積は限られているので、このような地盤も何らかの対策を施して利用していく必要があります。主な軟弱地盤対策の一つとしてセメントや石灰を混合し、化学的に固結させることで、強度や変形に対する耐力を向上させ、安定化を図る工法があります。しかし、この工法は歴史が浅く、耐久性などについては十分に議論されてきておりません。
 最近、感潮河川における堤防基礎部の改良層が河川を遡上してきた海水の影響で軟弱化していることが発覚しました。今後、地球温暖化に伴う海面上昇等によって、このような問題が頻発化することも考えられます。そのため、セメント・石灰改良土が用いられた構造物の機能維持を目的として、改良地盤の長期的な耐久性の評価や対策技術の開発についての研究を行っています。また、未解明な点が多いこの現象の機構解明に関する基礎的な研究も行っています。

原 弘行

Hara Hiroyuki

研究関連キーワード
  • 土質力学
  • 耐久性・環境劣化・モニタリング・評価
  • 維持・管理
  • 地球温暖化