工学部研究紹介 研究詳細

チューブの新しい立体的微細加工技術と人に優しい低侵襲医療器具の実現
新開発の円筒面反応性イオンエッチング技術を用いて加工した医療用ステント構造。ポリプロピレンチューブを素材として、最小幅80μmの構造の製作に成功。
最小寸法が1/1000mm程度の小さな寸法の形状・構造を製作できるようになると、人の体の中に入れても邪魔にならずに日常生活の中での病気の治療に役立つ器具や、生体の細胞と直接協働する機械などを作ることが出来るようになります。
医療用に良く用いられているチューブ形状の物を加工する目的で、半導体集積回路を作る微細加工技術を応用した新しい加工技術を開発しました。右の写真は外径4.4mm、肉厚0.2mmのポリプ口ピレンのチューブから製作した医療用ステント構造です。医療用ステントは心筋梗塞などの治療のため、血管内に入れたままにする医療器具です。写真から分かるように熱に弱いポリプロピレンのような材料でも、不要な変形などを残さずに精度良く加工出来ます。生体内で分解/吸収されるポリ乳酸樹脂も同じように加工することが出来ますので、この加工技術を応用して治療が終わる頃には溶けて消えてしまうステントの研究開発を進めています。

南 和幸

Minami Kazuyuki

研究関連キーワード
  • ナノマイクロメカトロニクス
  • ナノマイクロ加工
  • 生体制御・治療
  • 細胞バイオメカニクス