工学部研究紹介 研究詳細

サビをもってサビを制す
~耐候性鋼橋梁の長寿命化と維持管理戦略~
経年劣化により深刻な損傷を受けた鋼橋の例
(下フランジの破断、ウェブ下部の破断、垂直補剛材の減厚、支承機能の喪失)
現代における社会活動・経済活動を支えるために、橋梁は大きな役割を果たしています。また、橋梁は社会資本であり、国民の共有財産でもあります。一般的な橋梁はコンクリート橋と鋼橋に大別されます。このうち鋼橋を長期にわたり健全に使用する方法について研究しています。特に耐候性鋼材に興味を持ち、研究を進めています。
鋼橋では腐食を防ぐことが大変重要となります。これまでは塗装による防食が主流でしたが、鋼材表面に緻密な保護性のさびを発生させ腐食速度を十分低減する耐候性鋼材の利用も増えています。この耐候性鋼材がその効果を十分発揮できる環境を明らかにするとともに、緻密な保護性さびの発現機構を明らかにすることは、耐候性鋼橋梁の合理的な使用のために必要不可欠です。また、耐候性鋼材に想定以上の腐食が進んだ場合の維持補修の方法についても、産官学共同で研究しています。

麻生 稔彦

Aso Toshihiko

研究関連キーワード
  • 構造工学
  • 鋼構造
  • 鋼材
  • 維持管理工学