工学部研究紹介 研究詳細

建物に対する鋼材の変形性能を利用した制震ディバイスの研究
鉄骨骨組に方杖ダンパーを取り付けて繰り返し載荷実験を行った様子。中央の櫛状の部分が変形することで制震ダンパーとしての役目を果たす。
鉄骨造建物の耐震補強では、ラーメン骨組の柱梁接合部周りに方杖と呼ばれる短い斜材を取り付けて骨組の耐力・剛性を向上させる手法がよく用いられます。方杖部材は柱・梁部材の中間に接続されるので、方杖部材端を十分剛強にするために、溶接によってスチフナなどを取り付けます。接合形式には、大別すると溶接と高力ボルト接合がありますが、溶接には、作業難度の高い上向き溶接や施工後の管理が必要となるため、溶接を使用せずに高力ボルトと金物だけで耐震補強用の方杖部材を設置する構法に興味を持ち研究を行いました。方杖補強された鉄骨骨組でも終局状態に柱・梁が損傷を受けることから、この方杖に制震機能を持たせた、安価で施工しやすい方杖ダンパーの研究をしています。近年では、身近な木造住宅を対象とした制震ダンパーに改良する研究を進めています。建物の地震被害から人の命を守れるような制震ディバイスや耐震構法を目指して研究しています。

本間 小百合

Honma Sayuri

研究関連キーワード
  • 構造工学
  • 鋼構造
  • 耐震構造
  • 鋼材