工学部研究紹介 研究詳細

翻訳する時、頭の中でどんなことをしているんだろうか?
翻訳失敗例:
笑いにつながる誤解のきっかけのところが、訳文ではその役目を果たせていない
「頭」は英語で head、では「釘の頭」は? the head of a nail ですね。簡単です。でもよく考えると、そんなに簡単なことではないのです。「釘」は生き物ではないので、本来「頭」などありません。ここでは(気付かない内に)釘を生き物に喩えて認識する(詳しくは、隠喩 metaphorという)言語の仕組みが隠れているのです。さらに興味深いことに、この全く同じ仕組みが日本語でも英語でも(この場合は)同じ表現を使って成り立つのです。ですが、いつもうまくいくとは限りません。「頭がいい」は The head is good.では通じませんね。smart や clever を使って表します。翻訳する時、一方の言語の言葉を、別の言語でそれと対応する言葉に置き換えさえすれば、それでうまくいくとは限らないのです。ではどんなこと(まで)考えなければならないのだろうか? 翻訳者の頭の中ではどんなことが起こっているのだろうか? というのが、私の研究テーマです。写真の翻訳は失敗例です。どうしてうまくいかないのでしょう?

貞光 宮城

Sadamitsu Miyagi

研究関連キーワード
  • 翻訳
  • 認知言語学
  • 英語学
  • 外国語教育