工学部研究紹介 研究詳細

長時間スケールで災害の起こり方と防災の在り方を考える「時間防災学」を展開
2018年7月の豪雨では、流出した土砂が洪水流と一体となって氾濫し、大きな被害が出ました。このような現象が過去に発生していたかどうかを調べています。
豪雨災害が毎年のように発生していますが、被害に遭われた方からは「今までこんなことはなかった」「ここまで土砂(水)がくるとは思わなかった」との声をお聞きすることがあります。しかし、その土地の歴史を調べてみると、同じ場所や近い所で土石流や洪水が過去に何度も起こっていることが多いです。残念ながら災害記録や教訓が防災に生かされていません。
そこで、過去の災害の特徴・傾向を解明することが防災対策の一助になると考え、100~1000年の時間スケールで災害の起こり方と防災の在り方を考える「時間防災学」を提唱し、全国展開しています。研究では、現場に出向いて土石流や洪水の痕跡を見つけ、そこから試料を採取し、実験室で土質分析・年代測定を行っています。また、歴史アーカイブをもとに災害の発生状況を調べています。この研究は日本史、考古学、社会学などの知見や見方が大切なので、文系の研究者と協力しながら研究に取り組んでいます。

鈴木 素之

Motoyuki Suzuki

研究関連キーワード
  • 土質力学
  • 地盤防災
  • 火山噴出物・土石流
  • 自然災害予測・分析・対策