工学部研究紹介 研究詳細

結晶成長メカニズムの制御による効率的な結晶生成
二次核発生を用い効率的に生成した新しい砒素固定結晶。板状結晶で成長速度が速いので球晶の形態を示す。通常の条件と較べ10倍以上の成長速度を示す。
結晶成長は、熱力学的には不安定な核生成とその後の安定成長から構成されています。我々は結晶成長初期の核生成を制御する研究を行っています。核の生成を助ける物質または生成結晶をごく微量添加することで、核生成を容易に生じさせ(核生成活性化エネルギーを低減させている)、結晶を効率的かつ早く生成させることが出来ます。例えばセメント焼成時にセメント粉末を1%添加することで焼成温度は70℃低減出来、また焼成時聞は半分程度になります。また新しい砒素固定結晶を育成する時に、生成物を0.5%添加するだけで成長速度は14倍になることも見出しました。これらの現象は、二次核発生という言葉で説明されますが、しかし、その実態は未だ不明の点が多く、どのようなメカニズムでこのような現象が生じるのか研究を行っています。同時に二次核発生を用いた結晶の効率的生成についても研究を行っています。

小松 隆一

Komatsu Ryuichi

研究関連キーワード
  • 結晶成長
  • 無機材料創成・合成プロセス
  • 晶析操作