工学部研究紹介 研究詳細

ポリマーとタンパク質のハイブリッドタンパク質医薬品の開発
PEG化タンパク質は表面をPEGで保護されているために免疫分子から認識されにくくなり、長時間、機能を持続することができます。
細菌やウイルスに感染した時は、体の中で様々なタンパク質や核酸などのバイオ分子が働いて体を防御します。このような、もともと体の中に存在するバイオ分子を医薬品として使うことができれば、少ない副作用で高い治療効果が期待できます。このため、多くのタンパク質が医薬品候補として発見されていますが、実際に医薬品として利用できるものはまだまだ限られています。この理由として生体安定性が低いことや細胞培養により生産されるために特殊な精製プロセスが必要となることなどが挙げられます。私たちの研究室ではタンパク質を医薬品として高機能化する方法として両親媒性の合成高分子ポリエチレングリコール(PEG)を修飾する方法を検討しています。PEGは水和水を多く取り込みタンパク質表面を遮蔽することで免疫系の分子から認識されにくくします。また分子半径を大幅に増加させるために腎臓からの排出もされにくくなり生体内半減期が大幅に増加します。

吉本 則子

Yoshimoto Noriko

研究関連キーワード
  • バイオセパレーション
  • 生物機能工学
  • バイオ生産プロセス