工学部研究紹介 研究詳細

何も無い空間「極高真空」の実現への挑戦!
実用化したチタン製真空製品
真空とは、「通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間の状態」とJISで定義されています。例えば特定の空間の気体分子の数をどんどん減らし、大気よりも15桁以上少ない宇宙空間並みの状態を創ります。これを「極高真空」といいます。
科学技術の発展とともに、「真空」は高度化してきました。身近な電子機器の中にあるデバイスでは、たった10原子が積み重なった薄膜が多層に積み重ねられた構造となっています。この電子デバイスの製造には高品質な超薄膜の形成が鍵を握ることから「極高真空」を達成する真空技術が必要となってきました。
極高真空を実現するには、特定空間を構成する材料から放出される気体分子の数を極限まで少なくする必要があります。私は、チタン材料に着目し、その放出気体分子の数が極限的に少ないことを実証してきました。現在、最先端のデバイス製造装置や次世代の科学施設(加速器)に貢献すべく実用研究を進めています。

栗巣 普揮

Kurisu Hiroki

研究関連キーワード
  • 真空
  • 表面・界面
  • 電子デバイス
  • 加速器要素技術開発