工学部研究紹介 研究詳細

水の電気分解を利用した電子材料間の接合と浄水用凝集剤の活性化
AlNセラミックス-Al接合体界面の電子顕微鏡像。水素チャージの有無によって接合性が変化する。図中のスケールバーは10ミクロン(0.01mm)を示す。
一見関係のないような2つのテーマについて、「水の電気分解(電解)」というキィワードで繋がる実験主体の研究をしており、いずれも特許登録しています。
(i)図は、電気は通さないけれども金属並みに熱を伝えるAlNセラミックスと、軽量で導電性の高いアルミニウムAl金属の接合界面の電子顕微鏡画像です。電解処理を施さない場合には、金属特有の酸化被膜が残留して接合強度もそれほど強くありませんが、予め電解した金属を用いた場合には、金属とセラミックスがジッパーのように組みついた接合界面が形成され、強度も数倍に増加します。
(ii)日々濁質(汚れ)濃度の変わるダム湖水や河川水など、水道水源となる上水を調整する際に用いられているAl系金属塩凝集剤のPAC(poly-Aluminum Chloride)や後継のFe系PSI(poly Sillicato Iron)では厳密な濃度調整が必要ですが、電解処理によって面倒な濃度調整が比較的簡単になることを見出しています。

村田 卓也

Murata Takuya

研究関連キーワード
  • 電気・電子材料(半導体、誘電体、磁性体、超誘電体、有機物、絶縁体、超伝導体など)
  • 接合・接着・溶接
  • 環境浄化・低負荷・環境調和
  • 水資源・水システム