創成科学研究科の西形孝司准教授が平成29年度有機合成化学奨励賞を受賞しました

創成科学研究科の西形孝司准教授が平成29年度有機合成化学奨励賞を受賞しました

(平成30年02月27日掲載)

大学院創成科学研究科工学系学域応用化学分野の西形孝司准教授が、平成29年度有機合成化学奨励賞を受賞し、2018年2月15日(木曜日)に如水会館において開催された有機合成化学協会第81回通常総会で表彰されました。

本賞は、有機合成化学及びその関連産業の分野で優れた研究または発明を行った40歳未満の若手研究者に贈られるものであり、若手有機化学者の登竜門として位置づけられている賞です。選考過程は、2回の書面審査を経たのちに17名から成る審査委員に対して業績説明を行うという3段階で構成されており、受賞への道のりが非常に厳しいことで知られています。

今回の受賞は、「α-ブロモカルボニル化合物を用いる官能性第4級炭素の構築法確立」の業績が認められたものです。この研究は、有機合成化学において難題の一つとして認識されている第4級炭素化合物の効率的合成法に関するものです。炭素はその原子周りに4つまで置換基を持つことができますが、4つ目の置換基導入は立体的に非常に困難であり、従来法では多くの制限がありました。西形准教授のグループはラジカルが持つ高い反応性に着目することで、この難題を解決するための基礎理論を構築することに成功し受賞に至っています。医薬品や天然物をはじめとする様々な有用物質の効率的合成への応用が期待されます。

なお、本受賞に対して西形准教授は、「今回の受賞は、当有機化学研究室に所属する学生たちも含めたチームとしての成果と思っています。新たな知見を生み出すために、共に頑張ってくれた学生たちに感謝するとともに、今後も素晴らしい優れた技能・知性を持つ学生たちとともに研究を楽しんでいきたいと思います。」とコメントをしています。

有機合成化学奨励賞の歴代受賞者一覧(公益社団法人有機合成化学協会HPより)

西形准教授の受賞内容 [pdf](公益社団法人有機合成化学協会HPより)

表彰式の様子
西形准教授(最後列左)と有機化学研究室の学生たち