サラゴサ大学及び新リスボン大学と第5回国際共同シンポジウムを開催

サラゴサ大学及び新リスボン大学と第5回国際共同シンポジウムを開催

(平成31年4月10日掲載)

2019年3月に大学院創成科学研究科博士後期課程を修了しました常盤歩夢さんの論文が IEEJ Journal of Industry Applicationsの月間アクセスランキングで1位となりました。

電気学会産業応用部門では、2012年7月1日に英文論文誌を創刊し、隔月で出版しています。これは、和文論文誌では日本人以外の技術者・研究者に読まれず、世界に電気学会産業応用部門の論文出版成果を広く発信できないためです。当初は、投稿論文数が少なかったものの、現在では和文誌を大きく上回る論文数となっています。

常盤さんは、「高調波補償機能を有する静止型無効電力補償装置の制御法」で博士(工学)の学位を授与されています。この研究の過程で、“Harmonic Current Compensation Using Constant DC-Capacitor Voltage-Control-Based Strategy of Three-Level Neutral-Point-Clamped Inverter-Based STATCOM with Reactive Power Control”の題目で上記論文誌に投稿し、査読を経て2019年3月1日に掲載・公開されました。そしてこの論文が、4月時点でIEEJ Journal of Industry Applicationsの月間アクセスランキングで1位となりました。

電力会社は、電力を配電する際に消費者が受け取る際の電圧を常に一定に制御することが規則で定められています。ところが、電力の消費状況で常に電圧が変動します。常盤さんの研究は、これまで用いられていた制御法に比べ極めて簡易な方法で無効電力を制御し、電圧を一定に制御することを可能にしています。この論文は、中国電機製造株式会社との共同研究で得られた成果をまとめたものであり、中国電機製造株式会社の技術者も著者として加わっています。

パワーエレクトロニクス教育研究分野では、博士学位論文審査には必ず外部審査委員をお願いすることとしており、常盤さんの審査では九州工業大学長谷川一徳准教授にお願いしました。下記の写真は、博士学位論文公聴会で質問に答えている様子です。

常盤さんは、現在、東芝三菱電機産業システム株式会社(TMEIC)でパワーエレクトロニクス関連製品の研究開発に従事しています。主指導教員であった同研究科山田洋明准教授は、「在学中は、毎日楽しそうに研究に没頭しており将来が楽しみです。」と述べています。また、同研究室の田中俊彦教授は、「IEEE主催の国際会議でも質疑応答を教員が助けることなく自力で乗り切っており、国際的にも十分活躍できる人材になると確信しています。」と述べています。

Journal of Industry Applicationsの月間アクセスランキングは、こちらから。

博士学位論文公聴会で質問に答えている常盤君