「第1回国際防災・環境セミナー」が開催されました

「第1回国際防災・環境セミナー」が開催されました

(令和3年8月19日掲載)

2021年7月15日(木曜日)にWEBにて「第1回国際防災・環境セミナー」(地域防災・減災センター主催、グローカル環境・防災学研究会共催)がWEB開催され、大学、民間企業、その他一般から71名が参加しました。

セミナーでは、京都大学東南アジア地域研究研究所准教授・総合地球環境学研究所准教授(熱帯泥炭社会プロジェクトリーダー)の甲山治先生を講師にお招きし、「草の根技術協力の実績を活かした熱帯泥炭地における水文・気象情報管理システムの開発」と題して講演いただきました。講演前半では、JICA草の根技術協力事業によるプロジェクト「泥炭火災適応策としての再湿地化と在来種植林による泥炭生態系の回復と住民の生計向上」の成果についてお話いただきました。本プロジェクトは熱帯泥炭湿地の火災によって発生する煙霧により地域住民の健康被害が発生しているインドネシア国スマトラ島リアウ州ブンカリス県において、火災で失われた泥炭湿地生態系の回復、泥炭火災の減少、住民の生計向上を目指したものです。赤外線カメラを備えたドローンや気象レーダーから得られた情報を火災軽減に活用することや、現地住民が主体となって水路の堰を維持管理するなどの仕組みを構築したことによりインドネシアの熱帯泥炭湿地の回復の手本としてインドネシア政府に高く評価されたことが紹介されました。

講演後半では、同時期に獲得されていた科学研究費補助金による熱帯泥炭地における多数の研究成果が紹介されました。草の根技術協力事業による国際協力と科学研究費補助金による研究が高い次元で統合されており、研究者が行う国際的な防災・環境協力のモデルケースを学んだ大変有意義なセミナーとなりました。

地域防災・減災センターHP:http://ds0n.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~cldpm/index.html

講師:京都大学東南アジア地域研究研究所准教授、総合地球環境学研究所准教授(熱帯泥炭社会プロジェクトリーダー) 甲山治
講演題目:「草の根技術協力の実績を活かした熱帯泥炭地における水文・気象情報管理システムの開発」