工学部研究紹介 研究詳細

大学と産業界を結び付けるレオロジー工学
~研究が身近な商品で活かされている~
pHの異なるケイ酸ソーダは色や硬さ、弾力性が異なるゲルを形成します。
pHが2違うだけでミクロ構造が全く違うことが走査プローブ顕微鏡で観察できます。
人は物に触れた瞬間にかたさを判断することができます。この感覚には時間の概念が含まれており、比較的短い時間に対して変形がないときはかたいと感じ、大きな変形が見られるときにやわらかいと感じます。変形の度合いを制御することは、例えば、食べやすい食品、飲み込みやすい薬、塗りやすい化粧品を開発する研究につながります。では、どうやったら変形をコントロールできるのか?それには変形を決定づける物質のミクロ的な構造の理解に加え、変形特性の測定方法も検討する必要があります。対象が液体の場合は変形ではなく流れやすさ(流動)の制御が問題となります。このように、物質の流動と変形を取り扱う学問をレオロジーといい、これが私の専門です。応用範囲はかなり広く、主として化学・食品業界の方々と共同研究を行っています。人間の感覚にせまる測定技術の発展と身近な商品の利便性向上のために、流れを科学しています。

貝出 絢

Kaide Aya

研究関連キーワード
  • 流動・伝熱・物質移動操作
  • 非ニュートン流
  • プロセスシステム設計
  • ソフトマターの物理一般