工学部研究紹介 研究詳細

熱電変換材料の開発から新しい熱電現象スピン・ゼーベック効果の研究まで
クラスレート化合物を用いて試作された熱電発電素子(2.8cm×2.8cmで1.5W発電)(右図)と極低温から測定可能なスピン・ゼーベック効果の測定装置(左図)
熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換する熱電発電の研究を行っています。熱電発電は太陽電池のように固体素子で発電できる技術で、自動車の排気ガスなどの無駄に捨てられている熱エネルギーを有用な電気エネルギーに変換できるエネルギー・リサイクル技術としてだけでなく、体温など身の回りにある熱を利用して発電するエネルギー・ハーベスティング(環境発電)の一つの技術として注目されています。この研究では、主に、発電に用いられる材料を開発しています。
また、最近では新しい熱電現象であるスピン・ゼーベック効果の研究も行っています。電流を運ぶ電子は負の電荷をもっていると同時に磁石の性質(スピン)ももっています。スピン・ゼーベック効果では電子のスピンの性質を利用して、これまでにない新しい原理に基づく発電が期待されています。この研究は始まったばかりで、正確にこの効果を測定できる装置を開発しました。

小柳 剛

Koyanagi Tsuyoshi

研究関連キーワード
  • 電気・電子材料
  • 電子デバイス
  • 半導体
  • スピン物性