工学部研究紹介 研究詳細

脳疾患治療用局所冷却デバイスの開発
体内埋め込み型てんかん治療デバイスのイメージ図。脳波に現れるてんかん波を検知し、局所冷却装置の温度制御により、てんかん発作を抑制する。
全身性の痙攣、筋緊張の低下、異常感覚等の様々な発作症状をもたらす慢性疾患であるてんかんは、大脳神経細胞が異常放電を起こす病気である。全体の7~8割の患者は、抗てんかん薬による薬物治療が施されるが、てんかんそのものを治すわけではないため、長期聞にわたり規則正しく服用する必要があり、服用を怠ったため事故に至った事例も報告されている。てんかん発作は、てんかん焦点と呼ばれる部位を冷却することにより抑制できるため、てんかん焦点部位近傍に脳局所冷却装置を設置する体内埋め込み型の治療デバイスの開発に期待が寄せられている。本研究では、そこで必要となるてんかん発作検知手法及び、局所冷却装置の温度制御手法の確立を目指した研究を行っている。脳局所冷却は、てんかんのみならず様々な脳疾患に適用できる可能性があり、体内埋め込みデバイス開発や脳波を利用した疾患診断、効果的冷却方法の確立が様々な方面から求められている。

齊藤 俊

Saito Takashi

研究関連キーワード
  • 振動学
  • バイオメカニクス
  • 生体情報・計測
  • 運動力学