工学部研究紹介 研究詳細

輪っかと棒でカタチづくる超分子型ネットワークポリマー~未来の分子マシン~
クラウンエーテル(輪っか)と棒状分子からなる包接型ネットワークポリマー
王冠のような形をした「クラウンエーテル」と言った環状分子はその空洞の中に金属イオンなどのプラスの電荷を持った物質を取り込むことができ、さらに空洞のサイズによって取り込まれる物質を選択することができます。
当研究室では、プラスの電荷を真ん中に持った棒状分子がクラウンエーテルの穴を貫通した包接構造(ロタキサン)を形成させ、それを多数繋ぎ合わせることで関節の柔らかい数十ナノメートルの網目を持ったフィルムを作ることができます(右図)。ナノメートルとは甲子園球場を1mmとした場合、その中にある砂粒1粒に該当します。この緻密な網目の中に組み込まれているクラウンエーテルは、温度やpH、光・電気刺激によって自分の位置を自由に変えることができるため、刺激応答性の材料としての利用に興味が持たれています。未来の社会では、分子レベルの人工筋肉、センサー、輸送機などコンパクトな機能性デバイスが埋めれるかもしれません。

山吹 一大

Yamabuki Kazuhiro

研究関連キーワード
  • 超分子
  • 高分子合成
  • 機能性高分子
  • ゲル