工学部研究紹介 研究詳細

廃熱から電気エネルギーを回収する熱電材料の開発
焼結体の電子顕微鏡写真。作製条件の調整により結晶粒の大きさが変わる。
この場合、熱の伝わりが抑制されるため、右図の試料が高い熱電性能を有する。
物質に温度差を与えると、そこには電圧が発生します。この現象を利用すると、熱から直接、電気エネルギーを作ることができます。その熱としては世の中の様々な廃熱が利用可能です。一方、物質については、少しの熱で、たくさんの温度差が付けば効率は高くなります。したがって、熱が伝わりにくい性質が高性能化の条件です。それ以外には、電気は流れやすく、発生する電圧が高い性質も必要です。
私は効率のよい熱電材料の研究開発を行っています。例えば、熱を伝わりづらくするために、境界の利用が考えられます。物質中の熱の伝わりとは、その中にある原子の振動が伝わっていることを意味します。そこで、隣り合う原子の結合を切ってやると、振動が伝わらないようになります。ただし、無闇に切ってしまうと、電気も流れなくなります。高性能化のためにはその辺の調整が重要です。

岸本 堅剛

Kishimoto Kengo

研究関連キーワード
  • エネルギー材料
  • 力学・電子・電磁・光・熱物性
  • エネルギー節約・効率利用