工学部研究紹介 研究詳細

“きれいな”点配置の研究
正二十面体の頂点の位置関係(図左上)から「拡張ゴレイ符号」(図下)が得られる。NASAは探査機ボイジャー(図右上)との交信でこの符号を使った。
円周上に6個の点をきれいに置いてくださいと言われたら皆さんはどのように置きますか。おそらく、1個ずつ等間隔に置いて最終的に正六角形の頂点の形になるようにするのではないでしょうか。では何故そのような置き方が“きれい”なのでしょうか。本来、“きれいさ”は感覚的なものですが、数学的には「対称性」、「エネルギー」、「符号」、「デザイン」などの概念で“きれい”の尺度を与えることができます。私は、様々な場所(数学的には空間といいます)で様々な尺度ごとに“きれいな”点配置はどのようなものがあるかということを中心に研究しています。この“きれいな”点配置の研究は、NASAが宇宙にある探査機と交信するときに通信のノイズを克服するために「符号」の尺度から活用されたこともありますし、身の回りでも多くの応用があります。皆さんも身の回りの“きれい”の背後にどんな数学が隠れているか考えてみてはいかがでしょうか。

栗原 大武

Kurihara Hirotake

研究関連キーワード
  • 代数的組み合わせ論
  • 群論(含群の表現論)
  • 微分幾何一般(含種々の幾何構造、離散幾何)
  • 離散数学