工学部研究紹介 研究詳細

少量の添加量で多様な液体をゲル化する全く新しい有機物質、『高性能電池』等への応用
新しい低分子量の有機化合物から創った有機ゲル(左下)と有機ゲルから有機溶媒成分を除去したキセロゲル(乾燥ゲル)の有機ゲル繊維のネットワーク構造
新しい低分子量の有機化合物を合成し、それらを用いたソフトマテリアルの開発と応用をめざしています。ソフトマテリアルとは、結晶の性質を示しながら、液体の流動性を持った液晶材料や、それとは逆にほとんどが液体成分でありながら、固体化したゲルがあります。
例えば、プラスチックをも溶かすような有機溶媒に新しい低分子量の有機化合物を1%程度加えることで、有機溶媒がゲル化した有機ゲルを作ることができます。この新しい有機化合物は、有機溶媒の中で、極細の繊維状のネットワークを作ることで、有機溶媒の流動性を失わせることができます。その一方で、有機溶媒中のイオン性成分などは自由に動き回ることができるので、液体と同様のイオン伝導度を示します。このような特殊な性質を応用することで、高性能電池の液漏れ等を防ぎ、安全性を高めることができます。
その他にも液体と固体の良い性質を同時に示す新しいソフトマテリアルを開発しています。

岡本 浩明

Okamoto Hiroaki

研究関連キーワード
  • ゲル
  • 液晶
  • 電池
  • 機能材料