工学部研究紹介 研究詳細

放射性廃棄物処理材料としてのマイクロポーラスチタノシリケートの改質と評価
Na-GTSは三次元的なトンネル構造を持つ物質で、4つのTiO6八面体が稜を共有して形成するクラスターと1つのSiO4四面体から構成される骨格構造を持つ結晶です。
福島第一原子力発電所にある高濃度放射性廃液の中には多種の放射性物質が含まれます。高濃度の放射性廃液の浄化法として、吸着・イオン交換法があります。HEU型などのぜオライトはCsイオンに対して高い吸着性を有することは以前から知られています。新しいイオン交換剤としてCST型およびGTS型チタノシリケートが開発されてきました。これらのチタノシリケートは、放射性廃液中のSrイオン、Coイオンなどに対しても吸着性が高いことがわかっています。TSC型イオン交換体の結晶構造については詳細な研究が報告されていますが、GTS型イオン交換体、特に2価の陽イオン交換体の結晶構造については不明な点が多いのです。本研究では、GTS型チタノシリケートについて、2価の陽イオン交換体の結晶構造を明らかにすることを目的とし、Sr2+およびCo2+などを含む放射性廃液を短時間に室温で有効に働く吸着材の開発を目指しています。

藤原 恵子

Fujiwara Keiko

研究関連キーワード
  • イオン交換体
  • マイクロポーラス結晶
  • 放射性廃液
  • XRD